Unity HDRP で HDR 出力+HDR 動画アップロードテスト
前回の書き込みで HDR モニターへの出力は Unity できなの? と書いたのですが、もっと調べてみると Unity は公式にはできるともできないとも書いていない、「触れないで」って感じの検索結果です。
(これは HDRP の Part 3 を作っている途中に思い付いた記事なので、車のセットアップ Part 3 のものになります。)
2019/03/03 追記:アップロード動画2を追加しました。
Unity 用プラグイン発見
そんな中、検索結果に似たような嘆きを訴えていてそれを自力で「プラグイン作ってみました」という強者を発見!
Twitter にて、
GitHub】UnityがWindows 10のHDRディスプレイ出力に対応してくれないのでEditor上でHDRプレビューができるプラグインを作ってみました。 対応環境をお持ちの方は是非お試しください。(Win10 + 対応GPU + HDR10ディスプレイ)
Unity HDR Display Output plugin
このプラグインについて
Windows 版 Unity Editor で Linear Color でレンダリングした RenderTexture を Windows 10 の HDR ディスプレイに HDR Color で出力、プレビューするものです。
これですわ!。お試しさせてもらいます!
モニター
HDR10 ディスプレイというか モニター兼レコーダーである ATOMOS「NINJA INFERNO」を使用しています。
前に記事にしたか覚えていませんが、入力は HDMI に特化したモデルで 4K60P で録画できる優れものです。 記録方式は Apple ProRes、AVID DNxHR です。モニター機能も素晴らしく、HDR に対して細かい設定が可能です。
ProRes
やる気のない Apple のおかげで QuickTime の提供が終了し、一般人(プロ用の編集ソフトならもちろん対応済み)では Windows での ProRes 読み込みが絶望的だったのですが、去年の暮ですかね? 長いことお世話になってる TMPGEnc Video Mastering Works (以下 TVMW)がバージョンアップし、この度 ProRes の読み込み、HDR 出力等様々な機能(今はやりの)に対応しました。
TMPGEnc
あれ? ほんとに長いことですね堀さんが一人でやっていた頃からなので、かれこれ 20年くらいになるのですね。あ、商品も紹介しておきましょうw
TMPGEnc Video Mastering Works 7
私はもう長いこと優待バージョンアップを繰り返してきています。中でも今回のこのバージョンアップはかなり良くて、タイムライン編集のしやすさがかなり向上しました。 お勧めです。まだ不便な部分はありますがバージョンアップ改善されることも結構あるので気長に待ちたいと思います。
おっと、脱線しましたが、このソフトにより、個人でも安価に HDR 出力の手段が得られるようになりました。
動画編集
TVMW 7 なら SDR 環境下でも HDR 編集ができ、対応モニターがあればその画面での HDR 表示を有効にしたりできます。マルチモニターで DPI がそれぞれ異なる環境だとまだうまく動かない部分も若干ありますが、我慢して修正を待ちましょう。
ProRes 読み込み
注意点としては記録した ProRes の MOV ファイルをインポートしたとき、ソースの色空間情報が反映さないようです(もしかするとウチだけかもしれません、QuickTime の残滓の影響か…)。
HDR 用の色空間にしてあげると、
色がパッキリしますね。
YouTube への HDR アップロード
基本 TVMW 7 には YouTube 向け動画へのテンプレートが用意されているので、それを使うだけです。今回は HDR 用ということなので、ひと手間かかるくらいですね。
[カラープロファイル][テンプレート] で今回は HDR PQ を指定しました。
TVMW 7 は YouTube 向けの HDR も見越しているので、[HDR メタデータ] オプションがあります。これを有効にし、適切な値をディスプレイから取得すれば OK です。
このディスプレイ一覧はちょっとイケてない。3つどれがどれだか名前付けてくれないとわからないないじゃん! Windows のディスプレイ番号と一致していはいません。でもまぁ、とりあえず、nits が明らかに高い奴を選べば問題ないでしょう。
エンコード
さすがに HDR コンテンツのエンコードは時間がかかりますね。今回の動画だと約2時間ほどでしょうか。
YouTube も H.265 に対応してくれれば、かなりの低ビットレートでの高画質化が望めるのですが・・・やはり平均的なモバイルの処理能力の低さが問題ですかね。 明らかにバッテリー喰いまくるようになっちゃいますしね。
ちなみに出来上がった動画は現在 Windows 10 標準の「映画&テレビ」では再生できません。 VLC 3.0 以降なら HDR 再生に対応しているので再生確認ができます。一応別コンテンツで H.265 で HDR を作ったときは 「映画&テレビ」でも若干不具合がある状態でも再生できたのですが…
アップロード
正しく HDR メタデータが認識されるとアップロード時にこのように表示されます。
動画
まとめ
Car Setup の Part 3 を作っている最中で、せっかく HDR なコンテンツに仕上げているのに HDR で見られないって納得いかないな~と。 BD 用に編集しているのに、出来上がりはいつも DVD 画質みたいな。
今回プラグインを作ってくれた方のおかげで、とりあえず Editor 上での確認をすることは可能になりました。こんなのもあるくらいだし、
また、プロの HDR 撮影用モニターで HDR メタデータを作ってしまったためなのか、DELL の安い 4K HDR モニター(500 nits 程度)でも見てみましたが、発色というか発光が良くありませんね… SHARP の AQUOS(nits 不明) でも同じ程度の明るさ。 一般的にそのラインが普通なのかもしれませんね。
CP+ で色々聞いてみましたが、EIZO の 27インチ HDR モニターでも 300 nits(機能によってクリッピング値は変更可能)らしいです。 ちなみに FHD の規格では確か 100 nits です。(2019/03/03 追記)
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